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【色のプロ直伝】おしゃれな配色パターンの作り方

どこをみても色で溢れている世界。配色によってびっくりするほどお部屋もファッションも素敵になれます。配色を学んで気持ち良く暮らしましょう。

監修:清水 充子

【取得資格】

パーソナルカラリスト1級認定講師/トータルカラリスト1級認定講師/色彩診断士/『カラースペース・ワム』パーソナルカラリストスペシャリストコース卒業/日本フラワーデザイナー協会1級(NFD)認定講師/プリザーブドフラワーデザイナー プリザーブドフラワー芸術協会(P.A.A.)1級認定講師/検定指導員

配色とは

2つ以上の色を選んで合わせることを配色と言います。
眼で見て配色を判断するのが普通だと思いますが、色相環を使い決まった法則に従えばその判断が正しいかどうかが分かります。
まずは、色相環や色調を理解していきましょう。

色の基礎知識

色は、色の名前である色相と、色の特徴を表した色調(トーン)で表すことができます。
配色の基本は2つ
色相を中心に考える方法か、色調を中心に考える方法の2つ。2つの方法にそれぞれ3つの選択肢が有ります。
色相と色調の組み合わせで印象が変化します。

色相とは

色相環はご存知でしょうか?
色相環は虹のように自然に並ぶように色を繋げて環にしたものです。
写真はパーソナルカラリスト検定で使われるCUS®色相環です。


世界にはいろいろな色相環が有りますが、時計の12時の位置にある色は変わっても、虹のように色をつなげてある色の並びは同じです。

色相は時計の12時の位置から順に黄色、黄緑、緑、青緑、緑青、青、青紫、紫、赤紫、赤、赤橙、黄橙の12色の色相で成り立っています。
360度の円に色は12色、つまり1色が30度の角度です。

配色方法は3つ
 ⑴全く同じ色でそろえる
 (2)近くの色で配色する
 (3)反対の色と合わせる配色方法です。
詳しくは後ほど解説致しますので読み進めてみてください。

色調とは

色は明るさや彩度(鮮やかさ)でグループ分けされて特徴がわかる名前が付けられています。
色調と言われ、名前の記号で色のイメージが判ります。
上の色相環を見てみてください。1つの色が外側から内側に変化しています。
色調が変わるとこのように色は変化します。

色調の種類

色を表現する時、色調で表す事でどんなイメージの色かを説明することができます。
以下の9種類を主に使って配色します

      低彩度     中彩度      高彩度
高明度 pl(ペール)      cl(クリア)   bt(ブライト)
中明度 lg(ライトグレイッシュ dl(ダル)   vv(ビビッド)    
低明度 td(ッューダーク)   dk(ダーク)   dp(デイ―プ)

色調の意味

9つの色調のそれぞれの意味は以下の通りです。
   pl..優しい    cl...さわやかな  bt..明るい    
   lg..薄い灰みの  dl..地味な    vv..鮮やかな
   td..とても暗い  dk..暗い     dp..濃い

色調で配色するという意味
写真は同じ色調の花です。色調が同一で色相は自由に使う配色です。
plの配色なので優しい雰囲気にあふれていますね。
このような同じ色調の配色を使うと自分の目指しているイメージの配色に仕上げることが可能です。
ちなみに同一の色調でまとめる配色は、服飾の流行配色の1つでトーンイントーン配色と言います。

配色方法は3つ
 ⑴全く同じ色調でそろえる(写真の配色です。)
 (2)近くの色調の色で配色する
 (3)反対の色調と合わせる配色

また、ヴィヴィッドな色合いをバックに黒色を配置することでさらに鮮やかさが増し、花が浮き出て見える効果が出ていますね。ここは明度差をつけることで効果的な写真になるわけです。ちなみに、明度の低い色は引っ込んで見える色なのでその面でも効果的と言えます。
このように、どのような場面でも配色1つで違った印象、効果を得ることができます。

おしゃれな配色のパターン

配色のパターンはいくつかありますので、種類ごとにご紹介いたします。

1.同じ色(30度)で揃えて配色する方法

1つ使いたい色を選びます。
 使い方には3つの配色方法があります。
  ⑴同じ色で同じ色調の配色
  (2)同じ色で近い色調(類系色調)の配色
  (3)同じ色で反対の色調との配色

写真の花は青紫の色で、色調が反対の配色です。同じ色で明るさに変化がみられますね。
クラシカルでエレガントな雰囲気で、サマーの方にお勧めの配色です。
このような同一色相で明るさをかえた配色をトーンオントーンと言います。


写真は、同じ色で反対の色調の配色です。
同じように(1)は全く同じ色を使うので統一感が出ますし、(3)のように反対の色調で合わせるとはっきりとしたさが見えコントラストが強い配色となります。

2.近い位置の色と合わせる

写真は黄橙と赤橙、赤の配色です。
色の変化が穏やかで色調も近い色調なので、変化が有りますがまとまり感が有る配色となります。
このように赤を中心に考えると、選んだ赤の前2色(紫と赤紫と赤)、または赤の前後1色ずつ(赤紫と赤と赤橙)、または選んだ赤の後ろ2色(これが写真の配色です。) の 90度の3パターンで配色する方法できます。

配色する色を決めたうえで、色調を変えることでイメージを変化させることができます。
方法は以下の3通りです。
  ⑴近くの色で同じ色調の配色
  (2)近くの色で近くの色調の配色
  (3)近くの色で反対の色調の配色
の3つの配色が可能になります。

今はbtの明るい色ですががこれに白を加えていくとサマーの方にお勧めの配色になります。 

3.反対の位置にある色との配色

色相環で反対の位置にある色同士を配色することです。
真反対の色とその色を挟んだ両側の色との配色がてきます。

   ⑴反対の色で同じ調子の色との配色
   (2反対の色で近い調子の色との配色
   (3)反対の色と反対の調子の色との配色
   などを作ることができます。

写真のチューリップは紫と黄色が反対の色になります。中心の赤紫にどんどん白を加えて彩度が低くなった色調が反対になったものが隣の薄いピンク色となります。
反対の色調、反対の色を使うことにより、変化が生まれ、コントラストの効いた配色となります。シーズンがウインターの方にお勧めです。

4.パーソナルカラー配色

色相と色調で決めた配色をパーソナルカラーがその方のベースに合うように、色を選択していく方法です。
同じアンダートーン(ベース)の色同士は配色すると違和感がなく、まとまった綺麗な配色になります。服装だけではなく、お部屋やブーケなどの配色、メイクやヘアカラーの色合わせなど大事なシーンにお勧めです。

流行配色とは

20世紀後半から流行色情報が世界規模で発信されるようになりました
シーズンごとの提案色と共にその色を使った配色方法も同時に提案されることが多いのでトーンオントーン、トーンイントーンのほか代表的なよく使われる配色についいて少しお話しましょう。

フォカマイユ

絵画の単色による絵画技法にカマイユ配色があります。
一見1色にみえる色相も色調も似た配色ですが、フォ・カマイユはカマイユより少し色の差が大きい配色で、「偽りのカマイユ」や「調子はずれのカマイユ」といった意味です。
フアッションに取り入れると、全体的にまとまりがありながら、トーン(色調)のイメージもよく表現することができます。フェミニンやエレガントな雰囲気を作り出すことができます。

コンプレックスハーモニー

1960年代の流行色提案で登場した配色で、自然な色の見え方にさからった配色です。
初夏の街路樹の緑を想像してみてください。下から見上げた時、陰になっている葉は青っぽく
光が当たっている上の方の葉は黄色っぽく見えますね。このように色相環で黄色に近い色の方を明るく、黄から遠い色(青紫)を暗くした配色をナチュラルハーモニーと言います。
これに逆らって黄色に近い色を暗く、遠い方の色を明るくする配色をコンプレックスハーモニーと言います。
自然の中では見られない不自然さが複雑な印象を与え都会的なイメージを作り出すことができます。オレンジの低明度のブラウン、カーキ、オリーブなどが流行すると現れる配色です。
オータムの方に向いています

おわりに

配色はファッション関係だけではなく、アレンジメントの花選びや、まわりのラッピング、リボンなど、絵を描く方、部屋の内装や店内のレイアウト.美容、ウエデイングなどさまざまの職業の方、写真を撮る時などあらゆる場面などに参考になる方法です。
簡単な方法から試して是非生活の中に取り入れてみて楽しんでくださいね。